(見どころ2)本尊弥勒磨崖仏(みろくまがいぶつ)
[2008年10月29日]
この巨石には、かつて日本で最大最古の弥勒大磨崖仏が彫られていました。
元弘の変で焼失し、今では巨大な光景を残すのみですが、何度訪れても圧倒させられます。
切り立った岩に彫刻をほどこしたのは天人だというお話も残っています。
昔むかし、天智天皇の皇子の大友皇子がこの山で狩りを楽しんでいたところ、危うく馬ごと岸壁から落ちそうになり、困り果てた皇子は「山の神よ、お助けください。そうしてくだされば、岸壁に弥勒仏の像を彫りましょう。」と祈願し、窮地を脱することができたそうです。皇子は、祈願した場所を忘れないために笠をそこに置いて帰り、あくる日に約束どうり弥勒仏を彫ろうと再び山を訪れました。しかし作業に取りかかってみると岩があまりにも高大で力が及びそうにもありません。またまた困っていた皇子の前に天人が舞い降り、みるみる弥勒仏を完成させたそうです。また、皇子が笠を置いた山として、この山を笠置山と呼ぶようになったとか。