笠置保育所送迎バスで置き去り防止の実証実験を行います
[2023年4月20日]
笠置町では、令和4年10月にパートナーシップ協定を結びました株式会社官民連携事業研究所との協働事業として、エヴィクサー株式会社のデジタルシステム「おりた 〜スマホでかくにん、届いてあんしん〜」の無償提供(期間付き)を受け、令和5年1月10日から2月28日までの期間、保育所送迎バスでの置き去り防止に係る実証実験を実施します。
本事業は、京都府が子育て関連の新たな商品・サービスの創出・普及に向けた事業を支援する「産学公連携京都ママ・パパ応援プラットフォーム事業」の一環として実施し、園児の安全確保と保護者の安心感の醸成による子育て環境の向上を図るものです。
本システムでは、園児が保育所への通園に利用している町営バス内の各所にQRコードを張り付けて、各所のQRコードをスマートフォンなどで読み取ることにより、送迎バス内を目視にて確認したことを裏付けることが可能になります。
また、事前に連絡先を登録することにより、その読み取り作業を行ったことが連絡先に発信され、間違いなく保育所に着いたことを保護者に伝えることもできます。
送迎バスの利用人数が少なく、現在は保育士による目視によって置き去り防止を未然に防いでいるところですが、「おりた」を活用することによって置き去り防止だけではなく、園児の忘れ物の早期発見などにも利活用が期待されます。
この実証実験を通じて、実際に使用する保育士の意見を集め、送迎バスにおける置き去り防止対策の強化をはじめ、園児の安全と保護者の安心に繋がる体制づくりにつなげたいと思っております。
エヴィクサー株式会社より提供いただきました「おりた~スマホでかくにん、届いてあんしん~」システムの実証実験を通じて、笠置保育所における送迎バス置き去り防止システムに関して効果検証を行いました。
なお、笠置町では園児の送迎には町内を循環走行している福祉バスを活用しており、送迎時間においては、園児のみの利用・乗車となっております。園児が下車した際には、運転手による確認と共に、保育所職員が同乗・乗降確認している環境にもあり、車内確認等作業終了後は町内循環バスとして引き続き運行しております。
1.本システムを通じた保護者への安心について
笠置保育所に入所している園児は、何らかの理由で家庭内における保育ができない子どもが通所している環境にあります。今回のシステムの特徴である下車時のデジタルによる情報管理と同時に、保護者への下車通知が同時に行われ、帰宅時にあっては下車箇所(2か所において下車)によるタイムラグがあるものの、園児が送り届けられたという保護者への安心に間違いなく繋がっているとの検証結果となりました。
国のガイドラインとして示されている置き去り防止設備は、送迎バスの乗降現場における安全確認を補助・促すものと理解しておりますが、本システムは設備本来の趣旨である園児の安全に加えて、保護者への安心に繋がる本システムは、保育所の運営本来の目的である子育て世帯への安心度・幸福度を上げるシステムであると検証しています。
また、利用料が年間を通じて約1万円ということも伺っております。財政負担が軽いものであることも大いに喜ばしいものとなっております。
笠置保育所では、令和5年度の送迎バス利用園児が1~2名と見込んでいる中で、協力いただきました保護者の意見を踏まえながら、置き去り防止システムの導入等を考えたいと思っております。
2.保育所職員と保護者の意見・感想
今回の実証実験を通じて届けられた意見等は以下のとおりです。
【保護者】
●保護者として朝のバスの下車の様子は分からないため、メールが届く事で「今、降りた」ということが分かり、安心することができました。
ただ、バスを利用していない日にも下車通知が届いたため、自分の子どもが乗っているかどうかに関わらず「下車を確認した」というメールが来るのは、少し不思議に思いました。
●送り迎えを母親以外の者でしているので、母が先に出勤した後に、無事に保育所に到着しているのかが知れて良かったです。
●子どもの安全が確認できて良かったと思いました。
●置き去り防止のシステムがあると安心感がありました。
メールだと見逃しがちなので、できればアプリからの通知だとより便利だと思いました。
バスに誰も乗っていないことを確認した証なので仕方ないと思いますが、自分の子どもが乗っていない時でも下車確認のメールが来るので最初は疑問に感じましたが、最近置き去り事故が他の自治体で多発しているので、今後もこのような取り組みを是非続けていただけたらありがたいです。
【保育所職員】
●個々で行っていたチェックを記録として残すことが出来る点は良かったと思いました。
QRコードは、園児ひとりにつき1つ有ると良いのではないかと思いました(欠席の日も全体にメールが届いてしまうため)。
来年度の乗車人数は1~2名の予定ですので、運用については保護者の意向も伺いながら、実運用に向けて検討していただきたいと思いました。
●人数が少ないので置き去りになるという事はないのですが、QRコードを読み込む事によって、車内の確認もれを防ぎ、安全確認後すぐにメールが保護者にも届くので、子ども達が保育所に着いているという保護者への安心感にもつながるのが良い事かなと感じました。
●降車時に、降り忘れ、忘れ物がないかしっかりとチェックができて良かった。
QRコードの読み込みも思っていたより早くスムーズにできました。チェックをした後、チェックをしたスマートフォンにもメールが送信されるようになっていれば、チェックが完了したことがすぐに分かるのでいいのではないかと思いました。
●実証実験を通じてバス担当・保育所・保護者と共に確認できることは、とても良かったと思いました。
QRコードを読み取る時、画面にもう少し大きく「OK」と表示されるか、完了の合図を音で知らせると(「OKできています」など)分かりやすいかと思いました。
●毎回、目で見て声かけ・確認していますが、万が一の事故が起こらないようにするために、子どもの安全を第一に、生命を守るためにも適したシステムだと思いました。
操作も簡単で良かった。
●このシステムでは、下車確認をした後すぐに通知され、記録として残るので良いと思いました。
ただ、欠席している日にも保護者にメールが送信されるので、笠置町のような少人数の乗車環境であれば、車内確認より個人確認にした方が良いのではないかと思いました。